私が労働事件に力を入れているという話をすると,ときどき聞かれるのが「労働者側ですか?使用者側ですか?」ということです。

専ら労働者側,専ら使用者側という弁護士が多いので,このように聞かれるわけですね。

労働者側の弁護士は労働組合等とパイプがある場合が多く,使用者側の弁護士は,多数の企業と顧問契約を結んで平素から労務管理のアドバイス等をしている場合が多いようです。

しかし,私は,特にこだわらず労働者側の依頼も使用者側の依頼も受けています。

まあ,件数としては使用者側からの依頼は顧問先から持ち込まれるくらいで,一見のお客さんはほとんど労働者なので,件数としては自然と労働者側が多くなります。

それに使用者側は「負け筋」の事件が多いので,正直労働者側の方が楽しいという思いもなくはありません。

もっとも,負け筋の使用者側事件であっても,できる限りの主張立証をした上で妥当な条件の和解を模索する等,弁護士として腕の見せどころはあるわけですね。

とはいえ,使用者側については基本的に紛争になってからでは遅い場合が多い(多くの場合,経営者が労働法を知らずに何かしら違法なことをやってしまっている)ので,紛争になってから事件を持ち込んでもらうよりも(持ち込まれれば良心に反する事件でない限り受けますが),紛争になる前の段階で相談いただく方が,労使双方のために良いと思います。

紛争予防のための法務,いわゆる「予防法務」ですね。

就業規則の見直し,適正な勤怠管理,懲戒処分の運用等,労使紛争予防のために弁護士ができることは色々あります。

私としても,今後,労務コンサルタント的な業務も積極的にやっていくつもりです。