だいぶブログ更新をサボってしまいました。
今日は、労働者が使用者から退職勧奨(要するに、「退職してくれ」と言われること)を受けた場合に関する問題点と、退職勧奨に対して採るべき対応について書きます。
退職勧奨を受けた労働者として、まず念頭に置かねばならない基本事項は、
①退職しろと言われたからといって退職する義務はない
②労働者が自主的に退職しない場合、それでも辞めさせたいなら、使用者は解雇をするしかない
③判例上、解雇はそう簡単に法的に有効とは認められない
この3点です。
上記①~③をまとめると、要するに、
労働者が退職勧奨に応じさえしなければ、退職せずに済む可能性が高い
ということです。
勿論、法的には辞めさせられない状況だとしても、もはや自分を必要としていない職場で働き続けたいのか?という問題はあるでしょう。
しかし、辞めるか否かの主導権は基本的に労働者側にあるので、少なくとも、慌てて退職勧奨に応じる必要はありません。
退職勧奨はひとまず拒否ないし保留しておいて、現職を維持しながら転職活動をするといった対処も考えられます。
もっとも、使用者側は、解雇すれば法的にも有効になりうる状況下で、解雇よりも労働者に有利な温情的な措置として退職勧奨をしてくる場合もあります。
また、人員整理のための退職勧奨であれば、退職金が上積みされる等、有利な金銭的条件を提示される場合もあります。
このように、退職勧奨に応じた方が合理的な場合もあり得るのは確かです。
上記に鑑み、退職勧奨に直面した労働者が、初期対応として心がけなければならないのは、
(1)とにかく即答しないこと(絶対にしないこと!!!)
(2)すぐに弁護士か労基署に相談すること
これですね。
ちなみに、相談先としては、やんわりした肩叩き程度であれば労基署で足りるかもしれません。勧奨に応じなかった場合に解雇する旨を示唆されたような場合、紛争性が高いので弁護士の方が適しているかと思われます。
「お前は要らない」と言われた労働者としては、絶望的な気持ちになり、つい売り言葉に買い言葉で「辞めます」と即答してしまいがちだと思いますが、それをやってしまうと後々損をする可能性がきわめて高いです。
くれぐれもそのようなことのないようにしてくださいね。